■ エスカレーター事故に遭わないために ■ |
●トピックス エスカレーターに乗る時、どんなことに注意していますか?
2007年8月、エスカレーター事故が2件、大きく取り上げられました。1件目は、JR川崎駅の上りエスカレーターで8月12日、女性会社員(27)が左足を挟まれ親指を切断するという事故でした。そして2件目は、8月28日、JR東京駅構内のエスカレーターで、5歳の女児がサンダルをステップの側面部のすき間に巻き込まれ、中指を骨折し、3本の指のつめをはがす重傷を負うという事故でした。
これらの事故をきっかけとして、独立行政法人製品評価技術基盤機構が調査した結果、これまでに同種の事故情報が2007年8月末から9月始めにかけて39件報告されているということがわかりました。いずれも、エスカレーターを利用中にステップ等にサンダルが巻き込まれる事故であり、そのうち、人的被害のあったものが6件(足の指に軽傷を負うもの)で、他の33件はサンダルの一部を咬み込むもので人的被害のない事故であるとのことでした。
そこで、子どもの危険回避研究所でも、当研究所メルマガ購読者に、エスカレーターにおける事故やヒヤッとした体験談を募集してみたところ、様々な事例を集めることができましたので、皆様への注意喚起のために、ここにご紹介させていただきながら、エスカレーターに乗る際の注意をまとめてみました。
[1] エスカレーターに乗る時の注意
★幼児を一人で乗せないこと
→ 転倒や転落などの危険があります。
<体験談1>
1年位前、2〜3才くらいの子どもを連れた母子。子どもが先にエスカレーターを上がってしまった。エスカレーターの終わり直前で転んでしまった。母親が大きな声で「早く立って!」と青くなって叫んでいた。
<体験談2>
長女(現在16歳)が3歳くらいの頃の出来事です。ショッピングセンターへ、お友達の親子と一緒に買い物に行ったときに、いつも買い物に行っているショッピングセンターなので、子どもたちは、どんどん先にエスカレーターを上っていきました。親は後からついていったのですが、突然、1人の子どもがつまづいて転んでしまい、エスカレーターのステップのギザギザしているところで、 ざっくりと足を切ってしまいました。エスカレーターのステップのギザギザしているところは、かなり鋭利で、刃物のようなんです。
★黄色い線からはみださないように乗ること
→ 靴や靴紐などが挟まれ、指まで巻き込まれたり、転倒する危険もあります。特に、長靴やサンダルは要注意。
<体験談3>
私自身ですが子どものときにエスカレーターのふちに長靴が挟まってしまったことがあります。子どもにとってはあの速度でも結構速く感じます。父が必死になってとってくれたので事故にならずにすみましたが、今考えても怖いです。子どもと乗るときは、必ず手をつないで乗ってますよ!
<体験談4>
現在、小学一年になる次男が三歳のとき、新幹線に乗るべく駅構内にあるエスカレーターを利用していたときのこと、降りる寸前に次男の履いていたゴムサンダルつま先部分がエスカレーターに巻き込まれしまったのです。
次男は前のめりに転んでしまい、肘を強打したのですが、すぐ後ろに乗っていた人が「非常停止ボタン」を押してくださり幸いにも惨事は免れました。
★手すりにつかまること
→ 上から人や物が落ちてきたり、エスカレーターが緊急停止した時など、転倒・転落の危険があります。
<体験談5>
数年前に百貨店の上りのエスカレータ(全館のエスカレーターではなく3F〜4Fというように一部分)が止まりました。(おそらく中学生のいたずら)
急に止まったのでエスカレータに乗っている人は前のめり状態になってしまい咄嗟に手すりに捕まれた人や運動神経のよい人は持ちこたえられましたが、私の2段下に乗っていた妊婦さんは完全に前に転ぶ状態でした。偶然2段上の私が壁の役目を果たし支えることができたので事なきを得ましたが、もし私がいなければお腹を強打していたと思われ、その後どうなっていたかと思うとゾッとします。
<体験談6>
エスカレーターもうすぐ降りるという時に、上からガタン。ドタンと何か落ちてくる。なんと、スーツケースが落ちてきた。避ける場所もなく足に当たり次々みんなぶつかってました。落とした人は、笑いながら「すみませ〜ん」って。
★手すりから、身を乗り出さないこと
→ 天井へ頭をぶつけたり、となりのエスカレーターとの間に挟まれたり、転落の危険もあります。
<体験談7>
スーパーで、上りのエスカレーターから上半身を乗り出して遊んでいた子どもが、下りのエスカレーターの下部に頭をぶつけた瞬間を目撃したことがあります。その時は大事には至らなかったものの、一歩間違えれば、隙間に挟まって大事故になりかねません。子どもが大泣きしているのに、しばらくその子の親は現れず、日頃から危険性を注意していたのかは疑問ですが、大人でもぼんやりしているとぶつかりそうになることがあります。
★長い裾のズボンやスカート、ロングマフラーなどはなるべく避け、靴紐にも注意すること
→ 巻き込まれて、けがをする危険があります。
<体験談8>
20代後半の友人が駅のエスカレーターにロングスカートを巻き込まれ転倒しました。ウエストゴムのスカートだったので、脱ぐことによりすぐ起きあがれましたが、ずるずる巻き込まれたらどうなっていたのかと思います。
<体験談9>
子ども(12歳、男)とデパートに買い物に行った際に、エスカレーターに子どもの靴の紐が巻き込まれた。咄嗟に引っ張って靴から足を抜く事ができたが、『緊急停止』のボタンを押す事も思いつかず、とても焦った。
★乗る時、ステップとステップの境界線に足を乗せないこと
→ 段差がない状態の時に誤って境界線に足を乗せてしまうと、段差ができた時に転倒・転落の危険があります。
<体験談10>
当時5歳だった姪(妹の子ども)の話ですが・・・妹一家と一緒に、ショッピングセンターの買物に行った時のエスカレーター(上り)で、段差と段差の境目に、足をかけてしまい、そのまま後方にひっくり返りそうになった事があります。たまたま、私が二段下に乗っていたもので、後ろから支えて大事には至りませんでしたが・・・。
★しゃがんだり、座り込んだりしないこと
→ 足が引きこまれてしまう危険性があります。何か物を拾おうとして、手の指が引き込まれてしまう可能性もあります。
<体験談11>
12年ぐらい前、ショッピングセンターの上りエスカレーターの途中で3歳の息子が、やんちゃを行って座り込んだら、一番上のエスカレーターの終わりのぎざぎざの所に太ももが触り、筋状に結構深く切れて出血した。傷あとは、4年ぐらい消えなかった。
★よそ見をしないこと
→ 転倒・転落・巻き込みなど、様々な危険があります。
<体験談12>
デパートで子どもとエスレーターに手をつないで乗ったのですが、途中側面が鏡になっていたので、つい子どもの手を離して髪の毛を直したとたん子どもがどんどんどんと下まで転げ落ちて角のぎざぎざの所で頭を切りました。もう血がすごかったので死ぬかと思いましたが、病院へ行ったら頭は血が多いと言われ思ったより軽症ですみました。側面の鏡は要りません。
★乗り降りする時には、特に足元に注意すること
→ 転倒・転落・巻き込みなど、様々な危険があります。誤って逆方向のエスカレーターに乗らないように注意。
<体験談13>
エスカレーターの下りるタイミングはなかなか難しいようで、親子で緊張します。
<体験談14>
5年ほど前、とあるショッピングビルでエスカレーターを上階まで上っていったとき、ある階から向きが変わっていた。特に注意を促す表示もなく、またエスカレーターを降りる場所に反対側とのしきりを設けることもしていなかったので、先を行っていた長男(4歳)が下りのエスカレーターに反対側から飛び乗ってしまった。そのため転倒し、打撲・擦過傷をおった。幸い軽傷であったが、大人であっても気がつかないような設置方法はいかがなものかと思う。エスカレーターの向きが途中で変わっているところは他でも見かけるが、だいたい注意書き等の対策がとられている。建物管理者あてに連絡をして対処をお願いし、了解する旨の返事を得たが、数ヶ月してから訪れたときに何も変わっていなかった。なお、この建物は現在はなくなっています。
★乗り降りする場所で、立ち止まらないこと
→ 後ろの人が、転倒してしまう危険があります。
<体験談15>
中学校の教員をしています。修学旅行中のことです。新幹線に乗るために、博多駅に着き、ホームに上がるためにエスカレーターを利用していました。100名以上の生徒が、大きなバッグを抱えて移動します。ホームに上がった生徒は行き先を確認するために、あたりをキョロキョロ…当然、足は止まります。後ろにいた私たちは、エスカレーターの出口付近で往生してしまい、「前に進め!」と大騒ぎしてしまいました。私たち教員のミスですが、エスカレーターの出口がもっと広がっていれば…と感じます。エスカレーターと同じ幅の通路が続くような出口は少々危険ではないかと思うのですが…
★エスカレーター付近で遊ばせないこと(目を離さないこと)
→ 転倒・転落・巻き込みなど、様々な危険があります。
<体験談16>
長女が3歳の時、デパートに行ったときのことです。私が、エスカレーター脇の商品を見ているすきにエスカレーターのベルトを触って遊んでいた娘は、ベルトが巻き込まれていく隙間に指を挟み「ママー!」と叫びました。叫び声に気づいた私はびっくりでした。右手でエスカレーターのベルトを止め左手で恐る恐る娘の指を引き抜きました。指が取れているのではと思ったのですが異常はなくひと安心。そして急いで病院へ直行しました。
先生いわくエスカレーターのベルト巻き込み部分は子供の指も入らないくらいようになっているとのでした。長女はベルトの摩擦で指先に軽いやけどを負った程度ですみました。あれ以来エスカレーターには絶対に近づけないようにしています。
<体験談17>
子どもが1歳半くらいのとき、大型ショッピングセンターで買い物をしていたら子どもが走り出し一瞬で見失いました。慌てて探すとエスカレーターを逆走で降りようとしている瞬間を見ました。全力疾走で止めに行きましたがその前に近くの店員さんが止めてくれ大事にはいたりませんでした。子どもは何事もなくケロッとしていましたが、本当に怖い思いをしました。
★エスカレーターにベビーカーを乗せないこと
→ 転倒・転落・などの危険があります。
<体験談18>
自分ではなく知り合いが見た話ですが、デパートの長いエスカレーターの下りにベビーカーをそのまま載せたお母さんが何かの拍子に手を放して、ベビーカーが一回転したそうです。お父さんがすぐつかみましたが赤ちゃんの顔は血まみれだったそうです。
[2] 親子でエスカレーターの正しい乗り方を学びましょう
*表の見方
ホームページ(トップページ)です 内容の紹介です 今回のトピックスに
該当するコンテンツです
社団法人 日本エレベータ協会 イラストを使って、非常にわかりやすく解説されています。ぜひ親子でチェックしてみましょう。
エレベーターの乗り方も学んでおきましょう。
↓
エレベーターご利用の際に
日系BP社 SAFETY JAPAN 社団法人日本エレベータ協会技術部長の碓井安秋氏にエスカレーター事故の原因と、安全に利用するためのポイントを聞いたレポートです。
リポート
エスカレーターでの事故にご用心
東芝エレベータ 子ども向けの注意がメインに紹介されています。
その他にもある危険については、こちらのページをご参照下さい。
危険度の高い行為から順に、イラストで説明されています。
エレベーターの乗り方も学んでおきましょう。
↓
保護者の皆様へ(エレベーター)
その他の注意(エレベーター)
おすすめDVD
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文部科学省選定作品で、子どもたちが楽しみながら、エレベーターとエスカレーターの乗り方を学ぶことができます。
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研究所からのメッセージ
先日の「エスカレーターで、流行中のサンダルが挟まり、骨折」という記事を読んで、「うちでは、あのサンダルは履かせてないから安心」と思われた方もいるのではないでしょうか?しかし、あのサンダルさえ履かせていなければ安心、ということではないのです。
あの事故をきっかけとして、もう一度、親子で、エスカレーターやエレベーターの安全な乗り方やマナーを考えてみていただきたいと思います。