車の乗り降り、安全チェック 


トピックス  車に乗る時・降りる時、どんなことに注意していますか?

 2007年3月5日に、トピックスとして「子どもが巻き込まれる交通事故事例と対策」というページをアップしました。このトピックスでは、道路上において、人と車が関係する事故について考えたものでしたが、車に関する事故は道路上だけではないことも忘れないで下さい。とくに、子どもの場合、車に乗り降りする際や走行中の車内で怪我をしたり、またそういったことが原因で大きな交通事故に発展してしまうケースもあるのです。最近では、以下のような事故がありました。

ドア突然開き女児転落 後続車にはねられ死亡 (2007/4/13 asahi.com)
この事故は、走行中の車の後部座席のドアが突然開いて女児が転落し、後続車にはねられてしまったというもので、亡くなった1歳10ヶ月の女児はチャイルドシートを装着しておらず、走行中の車にチャイルドロックもかかっていなかったとのこと、大変残念な事故でした。

パワーウインドーに首挟まれ幼児重体 (2007/4/16 Yahoo!ニュース-毎日新聞)
長男である4歳男児は母親と妹(1)の3人で外出するため車に乗り込んだ後、母親が忘れ物に気付き、エンジンをかけたまま2児を車内に残して車を離れたため、このような事故が起きてしまったようです。

 この2件の事故以外にも、車内事故の事例は数多くあります。「大怪我にはいたらなかったけれども似たような経験がある」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?このような事故が二度と起きないよう、今回のトピックスでは、子どもを連れて車に乗り降りする際の注意事項をまとめてみました。


[1] 子どもを車に乗せる時の注意

★子どもにドアや窓の開閉をさせない
 子どもを乗せる時には、必ず大人がドアの開閉をするなど付き添いましょう。ドアに手をはさんでしまったり、パワーウィンドゥに首をはさんでしまったという事故例も多いからです。また、子どもにドアを閉めることを任せてしまうと、半ドアに気づかない場合もあります。必ず大人が確認しながら安全に開閉して下さい。

★チャイルドシートやジュニアシートをしっかり装着
 
チャイルドシートは、6歳未満の幼児を対象に使用させることが、ドライバーに義務付けられています。これは2000年4月1日から法律化されている大切なルールです。6歳未満の幼児が自動車乗車中に事故に遭った際、チャイルドシート非使用時の死亡率は、使用時と比較して約4倍高いことが警視庁の調べによりわかっています。子どもの命を守るために、必ず装着してあげて下さい。
子どもの危険回避研究所サイト内・参照ページ
商品研究 ●チャイルドシートモニターレポート   ● ジュニアシートモニターレポート
私が思うことレポート ●STOP!危険 「車での危険」について

★出発前に、チャイルドロック確認
 チャイルドロックとは、車のドアを内側から開けられないようにロックをかける機能です。もう一度、自家用車の説明書を読み直して、確認して下さい。(メーカーによっては、「チャイルド プルーフ」「チャイルド セーフティ」等の呼び名があります。)通常のドアロックは外側からも開けられなくなりますが、チャイルドロックは内側からは開けられませんが、外側からは開けられるようになっています。
 チャイルドロックをしっかりかけておくことで、万が一子どもがドアをいたずらしてしまっても、走行中に不用意にドアが開いてしまうような事故は防げるでしょう。

★子どもを乗せたら、エンジンをかけたまま、放置しない
 子どもを乗せてから忘れ物に気がついて、エンジンをかけたまま、忘れ物を取りに行くようなことはやめましょう。もちろん、「ちょっとだけ」と買い物をしてしまうようなことも絶対にやめて下さい。子どもがいたずらしてしまったり、なんらかの理由で車が動きだしてしまうかもしれず、大変危険です。


★子どもたちにも普段から指導が必要
 
チャイルドシートやチャイルドロックなど、準備万端にしているだけで安心せず、子ども自身にもしっかり安全教育をしておいて下さい。「おまわりさんに怒られるからチャイルドシートしようね」などという教え方ではなく、チャイルドシートをしていることで大切な命が守られることをしっかり説明してあげて下さい。そのためには、大人がシートベルトを着用して見本を見せてあげることも大切です。

独立行政法人
自動車事故対策機構(NASVA)
国土交通省とNASVA(旧:自動車事故対策センター)は、自動車アセスメントの一環として、平成13年度から市販のチャイルドシートの安全性能について試験をして、その結果を公表しています。

チャイルドシートアセスメントの試験結果をまとめたパンフレットを全国50箇所の自動車事故対策機構支所、全国103箇所の国土交通省運輸支局、及び、検査登録事務所(車検場)等で無料配布しています。 また、以下のページからダウンロードすることもできます。
チャイルドシートアセスメント パンフレットのご案内
チャイルドシーアセスメント
JAF チャイルドシートに関する基礎知識や選び方・取り付け方のポイントなどが掲載されています。
チャイルドシートガイド
岐阜県警察

シートベルトつけた子どもだけが生き残ったという事故と、親子でシートベルトつけていたために二人とも無傷だった事故の二つの写真が掲載されています。

シートベルト着用効果事例

 

[2] 走行中の注意

★窓から顔や手などを出させない
 チャイルドシートに座っているからといって、窓を自由に開けたりしないよう、ウィンドーのロックもしておいて下さい。窓から顔や手を出すと思わぬ事故になりかねません。

★ベルトを外させない
 
走行中に座席を代わったり、ふざけてベルトを外したりすることも、もちろん危険です。理由があってベルトを外す時も、できる限り車を停止して安全な状態でベルトを外すようにして下さい。

 

[3] 子どもを車から降ろす時の注意

★子どもを先に降ろさない
 しっかり車を停車させ、駐車を完了してエンジンを止めてから、大人が先に降りて、最後に
子どもを降ろしましょう。先に子どもを降ろしてしまって、駐車するためにバックした際に、子どもを引いてしまうというような事故も後を絶ちません。
 また、ショッピングセンターなどの駐車場で、子どもたちだけを歩かせたりしないようにして下さい。たくさんの車が頻繁に出入りしていて危険です。大人がしっかり手をつなぎましょう。

★子どもを車に置いて行かない
 いくらエンジンを止めたからといって、大人が用事を済ませている間中、子どもを車に置き去りにして留守番させることは危険です。車が動き出してしまったり、勝手に駐車場内を出歩いてしまい、事故に遭ってしまうことも心配ですが、連れ去りなどの犯罪に巻き込まれて
しまう可能性もあります。
 そして、毎年起きてしまう事故として、車内で子どもが熱中症になってしまうことによる死亡
事故があります。これは、真夏の暑い時期だけではなく、春や秋などにも起きる可能性があります。外気温が、摂氏21度(華氏70度)を下回る日であっても、車内の温度はわずか10分で外気温より19度も高くなる可能性があり、さらに、子どもは大人に比べ、 3倍から5倍の速さで体温が上昇するため、熱中症にかかりやすいとのことです。(ゼネラルモーターズのニュースリリースより)
子どもの危険回避研究所サイト内・参照ページ
私が思うことレポート ●アメリカ育児事情〜子どもの安全管理〜

日本ゼネラルモーターズ

ゼネラルモーターズ(GM)と、セーフ・キッズ・ワールドワイド、NASCARのドライバーであるジェフ・バートンは、協力し、子供を決して車内に置き去りにしてはならないということを広く知ってもらうため、記者会見を開き、両親や保護者を対象に安全に関するアドバイスを行ない、GMとセーフ・キッズは「Never Leave Your Child Alone」(決して子供をひとりで置き去りにしないで)プログラムを創設したことを発表しました。今後、幼い子供が暑い車内で直面する危険性について、両親や保護者を対象とした啓蒙活動を行っていくとのことです。

こどもを車内に置き去りにしないで
全日本遊技事業協同組合連合会

全日遊連の全国各ホール(パチンコ店など)では、駐車場の車内に幼児が放置されて熱中症で亡くなられたり、親御さんが目を離した隙に事故に遭われるような痛ましい事故を根絶するための啓発を実施しています。

やめて!子供の車内放置!