地震が起きたら、親子でどうする?!


トピックス  地震の際の子どもの守り方

 子どもと一緒にいる時に地震が起きたら、あなたは子どもをどうやって守りますか?

 子どもの危険回避研究所では、2005年9月1日(木)放映の「子育てれび 」の出演にあたり、「防災」について改めて情報収集及び取材を行いました。今日はその結果をトピックスとしてみなさんにご紹介します。

※ 取材にご協力下さった方々
東京消防庁指導広報部生活安全課都民防災係 熊倉様
船橋市東消防署救助係長 倉田様

子どもの危険回避研究所 過去の防災トピックスもご参照下さい。
家族で「防災会議」を開こう!


[1] 外を歩いているときに、地震が起きたら?

道の中央に避難しましょう
 道の端にあるブロック塀が崩れてきたり、建物が倒壊する危険もありますので、できるだけそれらから離れて、まずは道の中央に避難し、姿勢を低くして頭部をカバンなどで守りましょう。その際、自動車の往来には十分注意して下さい。
 公園で遊んでいる時なども、同様の理由で、公園の中央に避難するとよいでしょう。

大きくて丈夫そうなビルに避難しましょう
 街なかにいる場合は、看板が落下してきたり、ガラス等が降ってくる可能性もあります。ですから、近くに近代的なビルがあれば、その中に避難した方が安全です。

電線に注意
 よほどの大地震でないかぎり電柱は倒れてきませんが、電柱同士が揺れることで、電線が切れて垂れ下がってしまう可能性があります。ですから、なるべく電柱に近づかないようにし、もし切れて垂れ下がった電線を見つけたら、絶対に触らないようにして下さい。


[2] 家の中で、地震が起きたら?

大きな家具から離れて、頭をガード
 阪神・淡路大震災をはじめ、最近発生した地震では建物及び家具や家電製品の倒壊による圧死等によっての犠牲者が多く発生しています。
ですから、寝室には家具類を極力置かないようにし、他の部屋にある大きな家具などは転倒防止器具を取り付けておきましょう。それでも心配なので、地震が起きたら家具や窓から離れて、机の下等にもぐり、頭をガードして下さい。

1階よりは2階、広いリビングより狭いトイレ
 一般住宅であれば、地震の揺れに対しては1階よりは2階の方が比較的安全です。ただ、火災になってしまうと1階の方が逃げやすいといえます。そして柱の少ない広いリビングよりは、面積の割合に対して柱が多いトイレやお風呂場の方が比較的安全だと言われていますが、閉じ込められてしまう可能性もあるので、ドアを開けたまま避難する方がよいでしょう。

あわてて火を消さない
 地震が起きて怖いのは火事です。だからといって、大きく揺れている時に、無理に火を消そうと火元に近づく必要はありません。かえってヤケドをしてしまう可能性があるので、消火は揺れがおさまってからにしましょう。それでも十分間に合います。

あわてて外に飛び出さない
 外には危険がいっぱいです。家が倒壊したり、火災が発生したりしない限りは、あわてて外に出ないようにしましょう。揺れがおさまった後に避難所等に避難する際には、火の元の始末(ガスの元栓を閉じる等)を忘れずに出かけて下さい。また忘れがちなのは電気のブレーカーを落とすこと。これを忘れてしまうと、地震のために止まった電気が開通した際にショートして「通電火災」が発生してしまう可能性があります。


[3] 地震が起きる前の備え

外出時に持ち歩くと安心なもの

・アルミ製ブランケット
(避難する際に、火災や、暑さや寒さから身を守るため)
・ホイッスル
(瓦礫に埋もれてしまった際に、助けを求めるため)
・携帯電話

緊急連絡手段。地震発生直後は有線電話だけでなく携帯電話も通じなくなるので、NTT災害用伝言ダイヤル(171)を活用するようにしましょう。

・濡れタオル
(火災に巻き込まれた際、口を覆って煙から逃れるため)
・お菓子
(緊急避難の際の体力温存のため、甘くてカロリーの高い、保存のきくお菓子が便利)


子ども向けに準備しておきたい緊急時避難袋の中身
(上記の「外出時に持ち歩くと安心なもの」はもちろん含んだ上で、その他に準備して欲しいものは以下の通りです。)

・着替え
(乳幼児がいる場合はおむつ)
・上履き
 (素足だと危険なので)
・母子手帳や保険証
・非常食は3日分

水は一人1日3リットル分を用意しておくとよいでしょう。救援活動がすぐに始まりますが、実際に配給を受けるには3日間程度かかると思っていてもらい、その分についての用意が必要となります。乳児がいる場合はミルクも準備して下さい。


子どもを抱っこやおんぶで避難する場合の緊急避難袋は、あまり詰め込みすぎると重くて持ち出せないので、 一次と二次の二つの袋に分けて準備しておき、避難してすぐには必要のないものは二次避難袋に入れておき、子どもを安全な場所に避難させたあとで取りに行くようにしましょう。
その他の準備品や備えについては、以下のサイトをご参照下さい。

防災・危機管理 eカレッジ インターネット環境でさえあれば、いつでも、どこでも、誰でも、無料で学習することができるという、総務省消防庁が企画・運営しているとても素晴らしいサイトです。
子ども向けには「こどもぼうさいe-ランド」というコンテンツもあります。
防災グッズ体験レポート 防災用品・非常食の試食・体験レポート。ユーザーの立場で防災用品をレポートしてくれている市民防災情報サイトです。
(株)日立東日本ソリューションズ
室内危険度診断システム
名古屋工業大学 岡田成幸教授の研究成果である「地震発生時における室内危険度診断システム」をWeb化し、2005年9月1日より、(株)日立東日本ソリューションズホームページ上で一般公開されます。
「室内危険度診断システム」は、パソコン上の簡単なマウス操作で「@間取り作成」「A居住者配置」「B家具配置」が可能で、震度(4〜7)に応じて室内の危険な場所を視覚的に表示することができるそうです。そしてなんと、震度に応じた安全な避難経路の表示もしてくれるとのこと。現時点では、子どもの危険回避研究所でもまだ体験していないのですが、ぜひ試してみたいと思います。


その他の準備・対策

・寝室には家具類を極力置かないこと
転倒防止器具を取り付けるだけでなく、配置も考えましょう。寝室には家具類を極力置かないこと。家具類を置くのであれば背の低い家具類にすること。特に、乳幼児のベットは家具類の転倒による事故を防げる位置に置くことが基本です。

・重いものは下の方に収納すること
タンスなどの中身は、重いものを下の方に収納し、重心を低くしておきましょう。こうすることによって、多少倒れにくくなります。また、 家具類の上には落下した際にケガをする恐れのあるもの(ガラス人形ケース、陶器やガラス製品等)を置かないようにすることが死傷事故防止の重要なポイントとなります。

・ガラスに飛散防止フィルムを貼ること

食器戸棚のガラスや、窓ガラスに飛散防止フィルムを貼っておくと安心です。


[4] 子どもと一緒に、地震について勉強しておこう!

 小学生のお子さんがいらっしゃる方は、以下のサイトをお子さんと一緒にご覧になってみてください。とても勉強になります(^^)

阪神・淡路大震災記念 
人と防災未来センター
防災キッズミュージアム
地震のメカニズムから、地震災害のための備えまで、難しい言葉に振り仮名をつけてわかりやすく説明してくれています。阪神・淡路大震災の時の様子もわかります。