毎日虐待の話がテレビで報道されてますが、私はその報道騒ぎで、自分が見えなくなった頃の話を聞いて下さい。
私には5歳の娘がいます。主人は仕事が朝早く夜遅いので、 1日中子どもと2人きりという生活が続いていました。そのせいで、娘が赤ん坊だった頃、私は疲れ果てていました。
娘が大声で泣く度に 近所の人がきて「どうしたの?」って心配してくれていました。初めは田舎だし、いい人達だと思っていましたが、子ども泣く度に近所の人に「虐待だ」と思われるのが怖くなるようになってしまいました。その頃は毎日のようびテレビで虐待報道があり、地域で虐待110番のチラシがよく回ってきていて、娘が泣く度に、「もしかして自分は疑われてるんじゃないか」と思い込むようになり、娘が泣くたびに怖くなっていったんです。
娘には怒って叩くことなんて1度もありませんし、酷く怒鳴ったこともありませんでした。しかし、娘はちょっと神経質で、犬が吠えたり大きな音がする度に大声で泣き、その度に近隣の方が来ることが、何だか嫌になっていき、泣く娘の口を手で押さえたこともありました。
外に出るのも怖くて、娘が転んで怪我をした時は、娘を心配するより先に「私が疑われる」って思うようになり、娘をほとんど外に出さなくなり、近隣が来ても居留守を使いカーテンも閉めたままで、昼でも家の中を真っ暗にしないと、落ち着かなくなっていきました。主人が変わって行く私を心配して、1ヶ月娘を親戚に預け、私は実家で娘と距離をおくことにしました。実家に戻った私は
母や友達に優しく迎えてもらい、やっと気持ちが落ち着けたんです。
都会育ちの私は田舎暮らしに馴染めず、田舎独特の「近隣はみな家族」という思いやりが、その頃の私は「監視をされてる」と勘違いしてしまったんです。新しい土地で友達もなく、病気がちな母に心配かけたくない思いから、気持ちを1人で抱えすぎてしまっていたんです。
今では近隣の温かい気持ちが有り難く思えるようになり、親子3人で穏やかに過ごしています。
私は、子どもが憎くて殴ったりする気持ちはわかりません。ただ、泣きわめく娘を暗い家の中で毎日見ていると、自分が自分じゃなくなって、しまいには自分から助けてと言えないくらい追い込まれていく気持ちはわかります。毎日のように虐待が問題になってる影で、このような問題もあるのだとわかってもらいたく、書かせていただきました。
私の他にも沢山の方が同じ思いをしてることを知りました。 普段からご近所と親しい間柄なら、このような思いはしないと思います。もっと友人や家族に相談し、ストレスのはけ口があったなら、こんな思いをしなくてすんだと思います。
私はこの経験で感じたことは、保健婦さんの大切さです。田舎なので、保健婦さんに対し母子が少なく、娘が生まれてから、電話や訪問と、よくしてもらってたので信頼が強かったです。私の様子がおかしいと気付いてくれたのも、早く
実家に戻るように勧めてくれたのも、保健婦さんでした。おかげで子どもに危害を加えるようなことはありませんでした。もしあのまま生活していれば、私は娘に危害を加えたかも知れません。
子どもを助けるために、近隣が泣き声を気にかけることは、とても大事だと思います。ただ、そうなる前に、何かもっと出来ることはないか、考えて行きたいです。
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子どもの危険回避研究所・にしえ より メッセージ
貴重な体験レポートありがとうございました。私は、もうすぐ3人目を出産しますが、やはり一人目を出産した時には、同じように「虐待してしまいそうな自分」に悩んでいた時期があります。その当時のトピックスもぜひご覧いただければと思います。保健婦さんの大切さについても触れています。
トピックス●虐待をしない、させないために
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