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2歳児の安全教育を実施してほしい (RITSUKO)


 妊娠し、お腹が大きくなってきて、胎動が感じられるようになってきたころ、母親学級と両親学級に参加しました。陣痛や出産についてや、健康的な妊娠生活を送るためのことを学びました。また、沐浴や赤ちゃんの服の着せ方も実践しました。赤ちゃんとの生活を考えると、幸せな気持ちになりました。講師の方が「赤ちゃんを迎えるにあたって、おうちの中を点検してみてください」といって、安全チェックリストと危険防止の説明書を下さりました。今まで大人だけで生活していた部屋は赤ちゃんにとって危険だらけなことに気づき、部屋を整理し、赤ちゃんが窒息しないよう固い布団を用意しました。

 日々の子どもとの生活の中で、初めは意識していた危険についてもついおざなりになってしまいがちです。
しかし、1歳までは乳児検診や行政の新米ママのための講座などがたびたびあり、その時々の事故や危険について、説明して頂き、またいろいろな資料をもらうことができ、子どもの事故について危機意識を持ち続けることができました。
「このおもちゃはとてもかわいいけど、小さいから誤飲しちゃうから与えないようにしよう」
「ついお風呂のお湯を洗濯に使おうと思ってとっておいたけど万が一おぼれたら大変だから、使わないときはお風呂のお湯は抜いておこう」
部屋や生活を見直すいいきっかけになっていました。

 ところが1歳を超えると、検診は1歳半までありません。1歳半を過ぎると検診は3歳までありません。子どもも大きくなり、家の中での危険はある程度自分で避けられるようにもなってきています。母親である私の危機意識は次第に薄れていき、「まあ、いいか」という気持ちになってきます。

 危険について注意を促される機会の少ないちょうど2歳児の頃は、外での危険も増えてくる頃でもあります。歩くのも上手になり、走り出す子もいるでしょう。「自分でやる」という意識も芽生えはじめ、手をつないで歩くのを嫌がることもあります。前の日までは、手をつないで歩道をゆっくり歩いていたのに、ある日急に手をふりほどき、あらぬ方向に走り出すのです。
「危ない!」
あわてて、子供を追いかけ、手を引っ張る。また、手をふりほどいて、走り出す。
「なんで、急にこんな子になっちゃったんだろう。」育児が初めての私はとても悩みました。
「外出すると、いつも車道に飛び出してしまう。もう外に出るのはこわい」と思い、外出を控えたこともありました。

 ある子のお父さんのことです。もうすぐ3歳になる子供と一緒に公園に遊びに行きました。公園では4、5歳位の子どもたちが滑り台で遊んでいます。「もうすぐ3歳なんだから、滑り台をやってごらん」と子どもを上らせました。ところがその子にとってはとても滑り台のてっぺんは高くて怖いところでした。お父さんはいらいらして、泣き出してしまった子を無理やり、滑り台を滑らせてしまいました。ところがその滑り台はとても急な滑り台で、4歳以下の子供は滑らせないのが暗黙の了解だったのです。急な滑り台で勢い余って姿勢を崩して着地した子どもは、腕の骨を折ってしまいました。

「親が悪い」と言ってしまえばおしまいです。
初めての育児で、子どもがどんな成長をしていくのか知らないのが当然です。滑り台に注意書きがあったわけではなく、周囲の暗黙の了解なんて、知らない人がいて当然です。

 検診のない1歳半〜3歳までは、今まで教えてもらったこと以外のさらに多くの危険があるのです。そのことを保護者に知らせる機会が必要だと思うのです。行政が中心となって、ぜひこの空白の期間に保護者に危機管理意識を高めるような講座、集会などを開いて欲しいと思います。ただ、開催しただけでは、きっと意識の高い人しか集まらず、忙しい人や関心の低い人は参加しないかもしれません。2歳半までの間に必ず受けなくてはならない保護者向け必須教育として実施してほしいと思います。子どもの発達に伴う危険や周囲の環境で実際にあった事故を紹介するとともに、ぜひ人工呼吸や心臓マッサージなどの救命方法も学べるようにして頂けたらと思います。

何かあってからでは遅いのです。
初めての子育てで何もわからない私たちに、強制的に「子どもの安全」について教えてもらえる場を作っていただきたいです。