日本の紫外線って、どれくらい危険なの?
アンケートの回答の中に、「紫外線って、昔に比べて、本当に増えてるの?」
「具体的には、どのくらい危険な状態なの?」「日本でもオーストラリア並みの
紫外線防止対策が本当に必要なの?」という疑問が多々見られました。
そこで、日本国内での紫外線の量は、実際にはどうなっているのか
ということを、環境省のサイトで調べてみました。その結果、1991年〜2002年10月
の観測では、有害紫外線の明らかな増加傾向はみられないということでし
た。日本における紫外線防止対策の意識が低い要因は、どうもこのあたり
にあるようです。環境省の調査などで、目に見えて恐ろしい数字が出てい
ないこと、日本人は黄色人種なので、欧米人よりは紫外線の影響による皮
膚へのダメージが少ないこと、などが理由でしょう。
しかし、オゾン層の破壊が進行しているのは事実で、とくに札幌におい
てオゾンの減少が大きくなる傾向がみられるとの結果が出ています。
(但し、紫外線量は南にいくほど強くなります)
また、紫外線の量にかかわらず、人体に悪い影響を
及ぼすという事実は明らかです。そういったことからも、やはり何かしらの対策をとらなければならないでしょう。
過敏になりすぎる必要はありませんが、状況は悪い方向へ
進行しているので、いずれは危機的状況になりうる可能性もあります。そうなって
しまってから手遅れにならないよう、危機意識を持って情報収集をし、少
しずつでも、できることから対策を講じていきましょう。何も知らないと怖いけど
ちゃんと知っていれば、自分にあった危険回避策を考えることができると
思います(^^)
先日、環境省より「紫外線保健指導マニュアル」というものが発刊されました。
こちらは、各地方自治体や保健所などで無料配布されている他、
ネット上でも閲覧することが可能なので、ぜひご一読くださいませ。
「紫外線保健指導マニュアル」
http://www.env.go.jp/chemi/uv/uv_manual.html
子どもの紫外線対策の難しさについて
「紫外線防止対策をしてあげたいけど、子どもが嫌がる」
「保育施設や学校に通っているので、十分に対策を実行できない」というような
ご意見も多く見られました。
まずは、子どもたちにも「紫外線防止対策の必要性」というのを
多少なりとも理解してもらわなければなりません。
そこで、お子さんの皮膚のタイプを親子でいっしょに確認してみてはどうでしょう?
例えば、日焼けですぐに赤くなってしまい、あまり黒くならないタイプでしたら、紫外線に
よってDNAに傷がつきやすいタイプの皮膚と言えるので、しっかりした紫外
線対策が必要です。そういった場合は、保育園や学校に相談して、UV
カットクリームの塗布や帽子、その他の防止策について検討した方がよい
かもしれません。逆に、あまり赤くならずにどんどん黒くなるタイプでし
たら、前者よりは過敏にならなくても大丈夫だと思いますが、まったく何もしないよりは、
外遊びの時は必ず帽子をかぶせ、UVカットクリームを塗布、直射日光が当
たるような場所ではなるべく遊ばせないようにする、というような対策を実行する方がよいでしょう。
子どもたちには、「自分の肌がどれくらい紫外線に弱いのか」というのを説明した上で、
それぞれにあった紫外線防止策を本人に納得させることで、嫌がらずに実行できるように
なるのではないでしょうか?
なお、帽子は紫外線防止対策だけでなく、熱中症などの予防策としても有効なので
必ず実行してください。
UVカットクリームの安全性について
UVカットクリームは、子どもの肌に直接塗布するものなので、心配な方々も多いようです。
選ぶ基準や塗布する際の注意事項は、以下のとおりです。
・子どもには子ども用(幼児用・ベビー用など)のものを使いましょう。
・塗布する前に、皮膚を清潔に整えましょう。
・SPFは、日常生活なら15、レジャーの際は30くらいのものを使いましょう。
強い効果のあるものを毎日塗布すると、肌へのダメージが心配です。
・但し、いずれの場合もしっかりと厚めに塗り、1日に何回も塗りなおさなければ効果は期待できません。
・紫外線吸収剤不使用のものを選びましょう。(ノンケミカル)
紫外線吸収剤とは、文字通り吸収剤そのものが紫外線を吸収し、熱などの他のエネルギーに変化させて
肌の表面から放出させ、肌の内部に紫外線の悪影響が及ぶのを防ぐものです。肌が紫外線を吸収しやす
くするものではなく、肌が熱くなったりすることもありませんが、化学物質であるので不使用のものの
方がより安心できると思います。
*最近では、「UV吸収剤(メトキシケイヒ酸オクチル)をマイクロカプセル成分で内包したことにより、
肌に直接影響しない」というような製品もあるようです。
日焼け止め サンプロテクトCE [ルバンシュ化粧品]
http://www.kodawari-net.com/beauty/revanche/goods/uv/sun.htm
*先日、危険回避掲示板に投稿してくださった「ふゆぼうとーさん」のご家庭では
UVカットクリームを手作りされているそうです。こちらもご参考になさってみてください。
ふゆぼうのへや >> かーさんの手作りUVカットクリーム
http://www.mni.ne.jp/~fuyubou/page042.html
アレルギー体質と紫外線について
どんな内容のアンケートをしても、必ず回答の中に多いキーワードとして「アレルギー」「アトピー」があります。
今回の回答にも数多くありました。
前項のUVカットクリームについての記述にもあるとおり、アレルギー体質のお子さんは
できるかぎり無添加のクリームを選びましょう。また、「無添加=アレルギー反応なし」とは限らないので
必ず皮膚科などの主治医にご相談の上、ご使用ください。